It will be
スナップ写真
「被写体の動作や表情を即興的に撮影した写真」(日本国語大辞典)
私の撮るスナップは “即興的” ではない。
「ここだ」と思った場所で、理想の瞬間が訪れるまで待ち続ける。
その場所にその人が来ることを信じて、
その時が訪れるまで、その場に留まる。
「きっとそうなる」と信じて、カメラを構える。
私にとって「It will Be」とは
「信じて待った先に、映し出される景色」だ。
2023/11/20 11:56~12:25
この場所が私は好きだ。
最初にここを見つけたのはコロナ禍だった。
コロナが収束し、最近はこの大階段も常に人で埋め尽くされている。
光が差し込む最高のコンディション。
京都駅の端から、超望遠レンズを担いで待つ。
修学旅行だろうか。
お土産袋を持った男の子が階段を駆け降りて行った。
2023/11/20 15:34~15:53
紅葉の東福寺。
境内はあまりにも人が多い。
思い描く写真は撮れない、そう判断した私は
さっさと境内を後にし、友達が出てくるのを待った。
御社殿から離れた場所に参道にむかってそびえる木を見つけた。
カメラを下に構え、しゃがみ込む。
横切る人は「なにを撮ってんだ」と不思議そうにこちらを見る。
望遠レンズの圧縮効果を使いたい。
とはいえ、紅葉ベストシーズンの東福寺。
人がバンバン横切る。
写線に人が一切入らなかったのは、この写真1枚だけだった。
2024/01/23 11:46~12:09
早朝5時からの仕事を終え、11時に仕事先を出た。
超絶眠い。
でも、何か撮れるかもしれない。そう思い、一つ先の駅まで歩いてみる。
いつもは電車で通り過ぎる道。
太陽が真上に登り、光と影が交差する。
一台の自転車が過ぎ去った。
2024/03/30 16:26~16:28
就職で関東に引っ越した。
職場は渋谷。
これはそんな職場のすぐ近くで撮った一枚。
今はこの場所で足を止めることなく、
職場へ行き、自宅に帰る。
当たり前になったから、気付けなくなることもある。
今の私が撮れる写真は今の私でないと撮れない。
2024/04/07 11:18~11:25
社会人生活が始まった初の休日。
写真サロンのみなさんと桜フォトウォークをした。
今年は桜を撮ることがないと思っていたから嬉しい。
1人でカメラを構えるのも良いけれど、
やっぱり誰かと一緒に写真を撮りたい、そう思う。
構図がかなり気に入っている一枚。
5分強の待ち時間で自分の好きな写真が撮れることは珍しい。
2024/05/11 13:39~14:22
It will beで展示する写真を考えていた。
あまりにも過去の写真が多い。
知り合いも観にくる。過去の写真だけだとおもしろくない。
慌てて写真を撮りに飛び出した。
この場所を見つけた時、久しぶりにテンションが上がった。
あまりにも好みの場所。
しかし、納得できる写真が撮れるまでが長かった。
今回展示した写真の中で、最も長時間待機して撮影した写真だ。
2024/05/05 10:27~10:37
関東に引っ越してきて初めて友達と撮影に出かけることになった。
ずっと気になっていた場所、六本木の国立新美術館。
楽しみで、集合時間よりも1時間早く家を出た。
目星を付けていた場所での撮影を一通り終え、
友達との集合場所に向かう。
そのタイミングでこの場所を見つけた。
おもしろく撮れる場所を見つけると嬉しくなる。
2024/01/23 10:42~10:47
私は構図の心地よさを重視して写真を撮るようにしている。
心地よい写真に仕上げるために何枚も撮って試行錯誤する。
だが、そこに映る人々はすべて偶然だ。
歩き方、服装、性別。
どんな人がそこに現れるかわからない。
この写真の人物は私の理想にあまりにも近い。
カートと服の色、歩き方、2人の間隔。
お願いして歩いてもらったのかと思うレベルだ。
こんな瞬間があるから、私は待つことが辞められない。
2024/05/11 16:05~10:14
関西に住んでいる間、お気に入りの場所は京都駅だった。
関東に引っ越してきて、お気に入りの場所は横浜に変わった。
高架橋や高いビルにモニュメント。
私好みのものがとにかく多いのに加え、人通りもそこそこある。
社会人になって一人暮らしを始めた。
友人や同期に会う予定がない休日、
たまに孤独を感じる時がある。
そんな時はカメラを持って外に出る。
カメラを向けなければ、認識すらしなかっただろう人たちと
ファインダーに写った人と一瞬のつながりを感じるために。
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